早朝、前日までの雨が上がり、むんむんとした空気と暑い夏の日差しが照り付けるなか、浅間山をのぞむ丘の上の小麦畑で長野県産小麦の収穫見学と、柄木田製粉さんの宮崎製造本部長と北島さんにサンチのはなしをお聞きしてきました。
到着するや畑のなかを歩き周り、長靴でササっと足元を掃う宮崎さん。何をされていたのですか?と尋ねると、長靴のつま先につく水分をみたり、小麦の粒を食べて水分量をチェックするなど、小麦の状態を確かめていたんだそう。前日も雨降りだったように、小麦の収穫時期にあたる6月~7月は梅雨と重なり、収穫のタイミングも難しくなるそう。天候によって小麦の品質や収穫量は大きく変わってしまうから「天候がいのち!」
「食べてごらん」パッと手もみした小麦の粒を、取材陣にもそっと手渡してくれました。この小さな一粒が、大きな機械で刈り取られ、人の背丈ほどの袋に集約されると、畑の面積に対してこれだけしかとれないのか!と一同驚愕。これらが製粉されて小さな粉の粒子になるのですからより量は少なくなり…。ざっと計算いただいたところ、今回見学させていただいた小麦畑の広さで25kg入りたった12袋分という衝撃!
「小麦は、パンや麺類といった「主食」をつくる原材料。毎日食卓に届けるためには、病害を防ぎ、安定的に供給する必要がある」「趣味では主食である食糧の生産はできない」という宮崎さんのことばが心に響きます。安定的に栽培・収穫をするための技術、科学的な思考、長年積み重ねた経験があってはじめて、私たちの元へと途切れることなく毎日届けられているのだと強く実感したのでした。
私たちは食事のはじまりに「いただきます」と言う習慣があるけれど、これは食べ物への感謝であり、命をいただくことだと教えられました。それが最近は、食事に携わった全ての人への感謝もこめられていると教えられるようになったのだとか。
小麦畑の見学で、たくさんの方々が汗水垂らして収穫されている姿を見、私たちの知らないところで、日々努力されて食糧を供給してくださっている人たちがいることを知り、命ある食べ物をいただくこと、努力の上でできあがったモノを使わさせていただいていることに、今まで以上に感謝の気持ちが強くなったのでした。
現場の方や農家さんのがんばりを、一人でも多くの方に伝えたい。そしてその中にいるかもしれない未来の担い手につなげられたら。そんな橋渡しができる場所にいられることに感謝しながら、「日々より良いものを、より良いかたちで届けよう」「また今日も美味しいパンを作っていこう」そんな気持ちが芽生えた小麦畑のサンチのはなしでした。
サンチで毎日焼き上げている食パンは、柄木田製粉さんの長野県産小麦粉に、小布施町のオブセ牛乳さんの牛乳、須坂市の鈴木養蜂場さんのはちみつを練り上げ、6時間以上かけて仕込んだ食パンです。
ふんわり~甘くてやさしいミルクの香る食パン。
サンチのサンドは、粉がいい!だからパンがおいしいサンドイッチ!
ちなみに、柄木田製粉さんの長野県産小麦粉は、柄木田製粉さんのwebから購入もできるのです!myパンづくりにぜひどうぞ(http://www.karakida.co.jp/)
2018年7月10日、柄木田製粉さんの小麦畑にて 宮崎製造本部長と北島さんにサンチのパン製造スタッフがお話を伺いました。
※サンチでは、長野県産小麦粉「華梓(はなあずさ)」を使ってパンを焼き上げています。今回取材をさせていただいた7月10日時点では、「華梓(はなあずさ)」にブレンドされている小麦はすでに収穫の時期が終わっていたのですが、柄木田製粉さまのご厚意で「ゆめちから」という小麦の収穫を見学させていただきました。